2.3 Book 読書ログ

『英国シューマッハー校サティシュ先生の最高の人生をつくる授業』2 ーワンダラーユウコの読書ログ #019

印象に残る言葉が多すぎた

先日読んだこの本。前記事で少し紹介しましたが、今の時期に読んで本当によかったなと思ったので、自分用にメモしたいいなと思った文章をこちらでシェアします。

『英国シューマッハー校サティシュ先生の最高の人生をつくる授業』

 

文化人類学者で環境運動家。明治学院大学国際学部教員でもある辻新一さんが、生徒を連れてイギリスにあるサティシュ・クマールが運営する学校シューマッハ・カレッジに短期滞在し、そこで行われた授業をレポートしながら、生徒たちの変化を通して、サティシュが伝えたかったことを翻訳して紹介している本。

最高の人生をつくる授業、と書かれているけれど、実際このワークショップに参加した生徒の中には、帰国後ほんとうに人生ががらりと変化し、自分でアクションを起こし始めた人が(学生なんてやってらんないからと退学して事業を始めちゃった人なんかも)続出したらしい。

書籍では、辻さんの引率教師としての客観的なレポートを通して、自分もその授業を受けているような気持ちになれる。読みながら共感するところが多々あったけれど、その中でも大事だなと思った文章をここで引用紹介します。

「仕事は遊び、遊びは仕事」の大前提

サティシュの夜のセッションは続く。

「仕事と遊びに明確な区別はないんだよ」と彼は学生たちに語りかける。仕事とは、自分の人生を幸せな、満ち足りたものにするためのもの。その意味では遊びと同じだ。そう考えれば、仕事が苦しいもの、怖いものだという感覚もなくなる。


「ただし」と彼は人差し指を立て、少し眉をひそめて厳しい顔をつくった。そして「幸せで満ち足りた生活を送るために必要なことがある」という。短い沈黙のあと、彼は続ける。

「それは自分に対する自信と信頼だ」

…中略

自分の可能性を信じることだ。信じて自分がやりたいと思うことをやる。そうすれば、まるで遊んでいるように仕事をすることができる。逆にいえば、自分に自信がないから企業の雇用を求めてしまう。自分以外によりどころを求めてしまう…。


本当にそうなのだ。しかし、若者の中には、「自分がほんとうにやりたいことがわからないから困っているのだ」と言いたい者もいるはずだ。そんなときにもサティシュの言葉に立ち返るのがいい。自分を幸せにしてくれること、満ち足りた思いにさせてくれることを探すのだ。

では、自分を幸せで満ち足りた存在にするとは、どういうことか?サティシュはいった。「自然に対して、他人に対して、善いことをするんだ。他の存在を幸せにすることで、自分も幸せになれるのさ」


…中略


「自分がどうやって人を幸せにしたいかを、それぞれが考え、実行する。でも、いいかい、決して自分を過小評価しないこと。自分は素晴らしい存在で、素晴らしい仕事で人を幸せにできるんだということを常に実感してほしい


たとえば、農家が果物をつくる。それは素晴らしい仕事だ。なぜなら、果物を食べた人が幸せになる。そしてそのことで、自分も幸せになれる。そしてサティシュは、こうまとめた。


「何かをつくるというのは、素晴らしい仕事だ。だから君たち自身も、まず仕事をつくってほしい。それが質問に対する私の答えだよ」

ーP132 「仕事は遊び、遊びは仕事」の大前提より

この部分は本当に全部赤線引いて覚えてって言いたくなるくらい、とても共感した部分。会社組織というところで働かず、自分で事業をすることになってもう15年になるけれど、どこかで「自分への信頼=自信」がないと、すぐに立ち行かなくなるというのはよくわかる。|

自信というと、数字に基づいた売上実績とかそういうものを想像しがちだけれど、そうではなくて、言い換えると「自己肯定感」。罪悪感とか、自分はそんな立派な存在じゃない、みたいな自虐的で謙遜という名の責任回避の気持ちといかに向き合い、愚直にコツコツやり続けるか、みたいなところがとても大事なんだと思う。

まちがいや失敗は大歓迎

…前略(それでもそんな仕事ができるのか?生計を立てていけるのか?不安がどうしても残るという学生に対して)


「…さっきも話したように、人を幸せにするためには、自分が何ができるか考えてほしい。それから、そのためには何を学ばなくてはいけないかを知る。それがわかったら、そこにエネルギーを注ぎ込み、一生懸命に学ぶ。そうすることで、どんどん上達できる。つまりドングリが木へと成長していくんだよ。

でも、その途中で簡単な答えを見つけようとしてはいけない。困難、挫折、失敗はむしろ大歓迎だ。まちがい、回り道、寄り道もいい。こういったことのすべてが、君を高めてくれるだおる。失敗から学ぶことで、より善く、より強い人間になれるんだよ。決して不安になることはないよ。君の親も、友だちも、私も、木や花さえも、きっと君を助けてくれる」

中略

確かにそうだ。あれがなければこれがなければ生きていけない、あれをしないとこれをしないと生きていけない、と社会は僕たちを脅しつけている。でも、サティシュがいうように、生きていくために必要なものは限られている。生きていくためには、本当にパソコンやテレビや自動車は必要だろうか?そうしたもののために必死に働かないですむのなら、人間にはまだまだ十分な時間があるはずだ。

だから、とサティシュはいう。まずは本当にやりたいことを、本当にやるべきことをやってほしい。そうすれば、必ず誰かが助けてくれる。

さらにこう付け加えた。「もしパソコンやテレビや自動車が生きていく上でどうしても必要になった場合は、きっと自然に手に入るよ。だから心配はいらない」

P134  まちがいや失敗は大歓迎 より

これからの時代、いよいよ「ラクしてどかーんと儲ける」ということができなくなると思う。いや、大企業の中抜きみたいに、濡れ手で粟みたいなことはこれからもなくならないだろう。けれども、果たしてそれがその当事者にとって「お金をそうして稼ぐことが、本当に幸せなことなのか?」という問題はより浮上してくるのじゃないのかな。

かといって、もちろんわたしも効率的にお金を稼ぐということを否定してるわけじゃない。単純労働だけで、それに幸せを感じられないことをただお金のためだけに続けていることは心身の健康によくないわけで、「それってお金のためじゃなくても、やりたいこと?」って自分に嘘をつかずにやりたいことを、少しずつ進めていけば、きっと道は開けてくるんだと思う。

自分の内に眠っている能力

生徒からの質問
「昨日、サティシュは「やりたいことをやりなさい。それを仕事にしなさい」とおっしゃっていましたよね。でも、やりたいことを仕事にするのは厳しいと思います。嫌なことをやってでも家族を守らなければならない立場の人もたくさんいます。ゴッホは絵を描くことで成功しましたが、彼はただ運がよかっただけではないのでしょうか」

サティシュの答えは明快だった。

「これは仕事だけでなく、生き方のすべてについていえることだが、まずはふたつの道があると考えてみてほしい。ひとつは、簡単そうに見える道。それはほかのみんなも通っている道だから、自分にも通れると思える。もうひとつの道は、難しくて、大変そうで、挑戦ともいえるような道。みんなはどっちの道をとろうと思う?」


サティシュは、「君たちは難しい道に挑戦してみてほしい」と言った。そして、「確かにゴッホはラッキーだったかもしれないが、幸運をつかめるのは彼だけではないはずだ」と付け加えた。

簡単そうな道は、みんなが通るから簡単に見えるだけだ。もし、みんなが難しい道を選んだとしたらどうだろう。そうなったら、ゴッホだけじゃなく、全員がラッキーになれるかもしれない。難しい道というのは、単にそれを選ぶ人がすくないというだけのことなんだ。もちろん、全員がラッキーかどうかはわからない。でも、難しい道を選ぶ人が多ければ多いほど、ラッキーな人も増える。少なくとも、そう考えた時点で、すでに君はラッキーなんだよ。

だから、君の時間の9割は、『自分が出来ることはなにか』を考えて過ごしてほしい。そして『他の人が何をしているか』について考えるのは、残りの1割の時間でいい。

そもそも、難しい道の「難しさ」とは何なのだろう。その道が難しく見えるのは、その道を歩き始める前までのことだ、とサティシュはいう。

「どんなに難しく見える道も、実際に歩き始めたら、実はそれほど難しくないということがわかるものだ」

なるほど。これも世界を徒歩で、しかもお金も食べものも持たずに旅した経験が生んだ知恵というものだろう。
彼は巡礼を振り返ってこう言った。


「お金も食べものも持っていなかっただけではない。巡礼を始めた頃には英語を話す能力さえなかった。資本主義圏があれば共産主義圏もあり、新しい国も古い伝統を持つ国もある。ありとあらゆる種類の国と地方を歩くというのは、たしかに難しそうに見えるかもしれない。でも歩きだしてみたら、次から次へとものごとが展開して、いろいろな思いがけないことが起きる。そして、それに助けられることになる。

サティシュは旅を通じて、人間は自分の内に眠っている能力について、ほとんど何も知らないということに気づいたそうだ。

P151 5日目 自分の内に眠っている能力より

やってみるまでは、得体のしれない恐れがつきまとう。他人の目が気になるとか、無駄足になったらどうしようという効率主義な考えとか。でも、今までの人生のなかで「ラクなほう」を選んでよかったなーと実感したことはおそらくない。

できるだけ「正直面倒だしやだけど、難しいほうを歩くしかない」と覚悟を決めて、細々と活動してきたし、心のどこかで「でもそっちのほうが最終的に幸せなんだよね」とわかっているからこそ、選んできたようにも思う。自分のハートに嘘をついて生きていくことほど、心身の健康を害することはない。

 

3につづきます。

『英国シューマッハー校サティシュ先生の最高の人生をつくる授業』1 ーワンダラーユウコの読書ログ #019

 

『英国シューマッハー校サティシュ先生の最高の人生をつくる授業』1 ーワンダラーユウコの読書ログ #019
『英国シューマッハー校サティシュ先生の最高の人生をつくる授業』3 ーワンダラーユウコの読書ログ #019

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