港町三崎は懐かしテイスト
以前、秋谷(葉山の少し南あたり)に住んでいた頃には、定期的に訪れていた三浦半島の先端、三崎。いちご狩りして城ヶ島公園をお散歩したあとに、さすがにお腹が空いたよねということで三崎に行くことにした。当時、三崎方面でよく行っていた場所がいくつかある。
三浦パン屋 充麦
その行き先のひとつが、京急三崎口駅の近くにあるパン屋充麦(みつむぎ)。
オープンしたのが2008年。当時は自分で畑を持って自家製小麦をつくるなんてことしてる人もいなくて。それがあっという間に人気店になり、今は遠くからこのパン屋さんを目当てに来るお客さんも多い。ここで購入した書籍『CRAFT BAKERIES』という本にも特集として巻頭のほうで掲載されている。
ちなみにこの本はすごくマニアックだけど、丁寧に取材してつくられているのがめっちゃいいなと思っていて、こういう本をつくりたいーと、自分のなかでは理想の本のひとつ。
立ち寄ると、小さなお店だからコロナで入場制限してるとはいえ、外で待っている人がいるほどの繁盛ぶり。店の中も、パンをつくっている厨房と店頭にもスタッフがいて賑わっていた。店主のミツさんこと蔭山充洋さんも厨房のなかで相変わらず一生懸命作業をされていた。
開店当時からちょくちょく通っていて顔なじみになっていたとはいえ、行かなくなってから5年近く経っているし、こっちはマスクもしてるし、さすがに覚えておられないだろうと思い、ササッと買って立ち去ろうとしたら。
帰りがけの「ありがとうございました」の声とともに、こちらの方をみて「あれ!?」と。「ゲストハウスのフリペつくってる人ですよね?」たまにフリーペーパーをお渡ししたり置かせてもらったりしてたことを覚えていて気づいてくれたのだ。
その日はもうだいぶパンの種類が減っていたので、その場で食べられるパンを少しと食パンを購入。ハード系のパンが多いイメージだったけど、食パンは逆にすごく柔らかくて、これまためちゃくちゃ美味しかった。充麦は美味しいだけじゃない。記憶に残るパン屋さんだなあとしみじみ…。それも何より店主の人柄があってこそ。人気店の所以があらためてわかった気がした。