前編はこちらー『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』ーワンダラーユウコの読書ログ#014
「勉強・片付け・仕事 行動につながる55の方法ーやらなきゃと思っているのに動けないあなたへ」というサブタイトルがついております。
この本、ビジネスアイデアHACKの世界では知られている方で、シゴタノ!というサイトにも記事を投稿されている佐々木正悟さんが書かれているすごく読みやすい本です。55のトピックであれやこれや「できない理由」を理詰めで解き明かし、解決法を提示してくれています。
今日はこの本で気になったトピックをまた少しご紹介したいと思います。
方法12 モノをためこまない
「バックラット」という言葉を知っていますか?
アメリカでは、「モノをためこんで捨てられない人」のことを皮肉って「バックラット」と呼ぶそうです。これは、嫌な思いをしたことの多いネズミ、トラウマのあるネズミほど、モノを取っておく傾向にある、というある実験結果から来ている言葉です。(中略)
現代において「仕事の速い人」というのは、効果的に所有物を減らせる人であり、的確な基準を持ってモノを捨てることのできる人です。モノの多すぎる時代なので「保存すること」の価値は低くなっています。分け隔てなく何でも取って置く人には逆に不利な時代なのです。これは「すぐやる」ことと深く関係しています。すぐやれない、というのは、すべきことを選択できていない、ということです。
モノがごちゃごちゃあって、机の上にいろんなものが散乱してる人は、自分の頭も散乱しているとはよく言われますが、要するにそういうことなんでしょうね。自分にとっての優先順位が決められないのと、「なくなったらどうしよう」「なくしたらソン」というような感覚が、トラウマのあるネズミのように(涙)自分のなかにあって、取捨選択が適切にできない状態。そう書いてる自分の机の上には、飲みかけのペットボトルと、読みかけの本と手帳と、今使わないマスキングテープと付せんが置かれていて、モノが散乱まではいかなくとも、整理されていない状態。ということは、頭の中もそういう状態なのだなーというのを自覚すべし、ということなのかと。
方法28 気持ちに余裕を持つ
人は気持ちに余裕があるときは、すぐに動けます。
反対に、「いますぐに悪いことが起こると耐えがたいな」と思うときは動けません。何がおきても大丈夫という見通しができると動くことができるのです。ストレスや不安がある中で何かを始めようとすると葛藤が起き、すぐに動けない人になってしまいます。「不安に耐えられない」「せめていまの気持ちを失いたくない」。だから先送りしてしまうのです。
ストレスや不安、怒りをおさめるためには、相手がいる場合、その相手に「手紙を書く」ということが有効です。今の時代はメールでもいいでしょう。ポイントは「出さなくていい」ということです。出してしまうと、さらに大変なことになる可能性があります。
反論を好きなようにとことん書く。それだけでOKです。これで葛藤がほぐれます。(略)葛藤を「見える化」するのが有効なのです。
先ほどの取捨選択のところと似てるんだけれども、心に余裕がないと、動けない。これはよくわかります。
「せめて今の気持ちを失いたくない」というのが、無意識の中に切実にあるのだろうということも。
これをこの本の他ページでも書かれていましたが「現状維持バイアス」といって、脳の仕組みのひとつ。新しいことをやるよりも、(頭ではたとえ今の状況ではいけない、なんとかしたいと思っていたとしても)今のままがいいと判断する人間の心理のひとつなので、その不安やストレスや怒りがどういうものなのか?客観的に知るために書いたりメモしたりして「見える化」するのは確かにすごく大事。これ、知ってても意外と面倒だったり恥ずかしかったりして(誰にも見せないのに!)やらないんですが、やっぱりやると全然違うらしい。
方法31 やりたいことを増やさない
やるべきことをすぐにやれずに脱線する原因に「やることが多い」ということがあります。特に、向上心があって、自分を変えたいと願う人は、どんどんやることが増えていきます。仕事や趣味はもちろんのこと、スキルアップ、英会話、ダイエットに読書といった具合です。
こうした前向きな状態の自分でいたいと思うと、ずっと前を向いている状態を傾斜し続けていかねばなりません。そういうふううにしてやることがどんどん増えていき、つねに脱線するリスクの高い状態になるのです。
ある意味でこれは「失いたくない」という欲求からくるものです。「やることリスト」に書いた言葉は、捨てられなくなるということがよく言われます。書いていないものは、やってもやらなくてもいいのですが、書いてしまった以上はやらなければいけない、捨てられない、という人が結構います。
やらずに捨てることができなくなってしまう。書いた時点で所有欲が生まれてしまうからです。やりたいことを書くことで、やりたいことを「予約」しているような心理になります。「英語を勉強する」と書くと、英語を話しているステキな自分を予約したような気分になる。その後、リストから消すというのは予約を消すということで完全に道が閉ざされたような気になるのです。書く前よりも損をした気になります。
これはなんかわかる〜というか、いろいろアイタタタって思う部分が多い項目でした。
書いたらやらねば、とは思わないけど、「英語を勉強する」って書いたとたんに「ペラペラ話してる自分を予約した気分になる」っていうのは確かに!と思ったり。で、その項目を消すと、ペラペラ一生話せなくなるという恐怖?みたいなのも出てくるのかな。
なので、この場合は、「ひとつあるいは3つ程度に絞る」ことを推奨していました。毎回それくらいじゃないと、結果できないから、と。また達成したらその3つがリニューアルすればいいだけ、という話なんだよね。本当は。でもどうしてもあれもこれもって出ちゃう。それを絞ることのほうが、実はとてもむずかしい。
方法38 一気にやる快感に気をつける
すぐやれない人は、当然ながら仕事がたまっていきます。仕事がたまるとさらに動けない状態になります。しかし、たくさん仕事をためておいて、一気に片付けるのがクセになっている人もいます。たとえば、経費精算も、ある程度たまらないとやらない、ということはないでしょうか。
作業をためてしまう人は危機好きタイプなのです、追い込まれたときの活性状態が好きなのです。このタイプはギリギリの状態が好きなので、ほかのモチベーションではなかなか動けません。なぜこういう心理傾向ができてしまうのか。
それは、作業を一気に片付けたあとの爽快感や達成感を脳が覚えているからです。リスク特有の心理的覚醒感がクセになるのです。これは、中毒というか依存めいたところがあるため厄介です。(略)対処法としては、ある程度この感覚に頼るのも仕方ないと割り切って、どの程度ためるかというタイミングを見極めるといいでしょう。スパンを区切るということです。
あーこれ、わたしある!と思いました。文化祭の前日症候群、と勝手に私が名付けているナチュラルハイ状態(笑)。締切ギリギリまで余裕かますというのもセットにある感じ。「リスク特有の心理的覚醒感」ですか・・・。爽快感がクセになっていてそれを味わいたくてやってしまう。そしてそれは中毒的であり依存めいたところもあるという。ひえ〜っ。
解決法としては、もう少し安全地帯を見つけて、一週間で片付けるんじゃなくて一ヶ月かけてリスク分散しつつスパンを区切って、達成感をもたせつつ余裕を持つということ。いやー読んでていちばん冷や汗というか、個人的に「あるある」というのと、それが「よくないことだ」というのを自覚したところでもありました。
方法51 先送りを自覚する
「先送り」とは「失敗」です。ちょっとキツく聞こえるかもしれませんが、意図した行動を実行できていないという意味では「失敗」になってしまいます。失敗は記録しておくべきです。認知心理学から発展した「失敗学」という分野がありますが、そこでも「ミスログ」を記録しておくことが推奨されています。
こうした悪い習慣を改善するなら記録をつけることが有効です。なぜなら、先送りは無意識のうちにできますが、記録は無意識のうちにはつけることができないからです。
無自覚に先送りというのは、確かにそのとおりなので、記録をつけるようにしました。
バレットジャーナルというのが最近海外で流行っているそうで、たまたまYouTubeでその動画を見たらおもしろそう!と思い、トライしてみることに。今は日本語のムックやブログなどもあるので、そういうのを参考にしつつ。確かにこれはいいかもしれない。と思ってます。バレットジャーナルについてはまた別途の機会にご紹介してみることにします!
写真はすべて 2月に行ったタイのスリン諸島。のんびりゆったり(とは程遠い)結構忙しいスケジュールの1日ツアーでした。