2017年9月ハワイ島1週間の旅。まとめて読みたいときは #2017ハワイ島 からどうぞ!
サウスポイント(ハワイ&全米最南端)へ
ハワイ島一周旅5日目。今日はキラウエア火山を出てぐるりとコナのほうまで戻ります。その途中にあるサウスポイントに立ち寄ることにしました。
ハワイ島の南端であり、全米でも一番緯度が南だというサウスポイント。 途中から私道になるらしく、道もだんだん一車線になり、レンタカーの保険も効かないという超「自己責任」の道路です。四駆でないとダメということはないですが、最後の駐車スペースのところは結構難易度高いです。(私たちは帰りちょっとスタックしかけて、親切な地元の人に助けてもらった)
以前からここに来るときは、なんとなく天気もよくないし、どういうわけだかどんどんと南に向けてサウスポイントロードを下っていくうちに、心の内面にずーんと入っていくような感覚がありました。
久しぶりに来たサウスポイントロードは、道路の幅が少しだけ広くなっていて、壊れてるものばかりだった風力発電用のプロペラは、結構復活して稼働していました。まっすぐな道の左右には牛がいたりして飽きない景色。(運転してたから写真なし)
でもやっぱり少しずつ道も細くなっていき、電柱もなくなります。
記念碑も緯度計もなにもない。ただ断崖絶壁だけがある
日本の普通の感覚なら「ハワイ島最南端の地」とかいう碑があったり何らかのモニュメントがありそうなものですが、ここにはそういうたぐいのものは一切なし。
国立公園などにもなっておらず、私有地だというのがその理由と聞いたこともありますが実際のところはよくわからず。
ただ地元の人にも愛されるピクニック&釣りエリアで、景勝地であることは確かです。
ちなみにこのサウスポイントロードの分岐を左折すると、グリーンサンドビーチという、砂が緑色というか鶯色に輝くビーチに行くことができます。
が、その道は悪路そのもの。例え四駆で行っても、慣れてない人は絶対運転できないだろ!というスーパー凸凹な道が続きます。
6年前、ここの海に飛び降りたことがあります。
そうそう、前にここに来た2011年、地元のキッズたちが飛び込んでいたのを見ていたので、私も勢いで海にダイブしたことがあります。
そのとき、一緒に旅をしていた仲間のなかに旅行作家・エッセイストのたかのてるこさんがいて、彼女に「一緒に飛びこんでくれへん?」(彼女は関西人で同い年)と頼んでみたら「ええよ!」と快諾。飛び込み終わったあとに「バタフライして〜」と叫んだら、ちゃんとやってくれました(笑)。(著作に『ガンジス河でバタフライ』というのがあります)
良い子は真似しちゃだめです(笑)こないだ行ったら飛び込み禁止って書いてあった。前はそんな看板なかったけど、事故でも起こったのだろうか・・・。
飛び込んだときは、イケる!と思ったんだけど、想像していたよりも着水までの時間が長くて、つい最後腰が引けてしまったのがよくなかった。すこしヘッピリ腰気味で着水して、その後の運転が辛かった・・・。
しかしそれから6年、わたしもオトナになりました!
今回はおとなしく海を眺めるだけで大満足です。
初めて踏み入れる奥のヘイアウ跡
2005年に住んでいた時代を入れると何度も来たことがあるサウスポイント。けれど駐車スペースのまわりしか行ったことがなく、その奥がどうなっているか歩いてみたことはありませんでした。
今回GoogleMAPでいろいろ検索していると、どうやらその先にヘイアウ(ハワイの古代遺跡・祭事所)があることがわかったので、行ってみることにしました。
オブジェのように見えたのは、海からみた灯台のような役割を持つであろう看板で、その横に石積みされた場所がありました。そこがヘイアウ(KALALEA HEIAU)でした。
この岬が最初にハワイに上陸したポリネシア人が入った場所だと言われています。
思い思いの時間を過ごす
ワイピオ渓谷とこのサウスポイントは、他のハワイ島のどんな場所とも違う、不思議な雰囲気というか空気を感じます。重くはないのだけれど深ーい異次元への世界がどこかで繋がっているような、そんな感覚。
ここでは誰が指示したわけでもなかったのですが、それぞれバラバラになって、岩の上に座り、長い時間それぞれの時間をゆっくりと過ごしました。
あまり暑い印象がなくうっかりしてて、日焼け止めを忘れヤバいぐらい灼けました。
波が崩れてくるところの色が美しくて、わたしはずっとその色を見つめてました。
深〜い記憶の奥に沈むようなエネルギーがここにはある気がする
深い記憶の底に沈むようなエネルギーがある。どうしてそう思うのか?よくはわかりません。
けれど、毎回来るたびにそう思うから、どうしてもやっぱりこの場所にそういうパワーがあるんじゃないかな、とわたしは思う、という個人的な感想ではあります。
わたしの好きな作家さんのひとりによしもとばななさんがいますが、彼女の小説にも『サウスポイント』というタイトルのものがあります。それを読む前から不思議な場所だなあと思ってましたが、ばななさんの本のタイトルになったことで「やっぱりそういうとこなのかも」なんて思ったり。
どんな内容だったかすっかり忘れていたけれど、このリンク貼るために見返したら、ばななさんの初期の名作(と思っている)『ハチ公の最後の恋人』の後日談として描かれた世界の本だということを思い出しました。そしてやっぱり世界の果て感というか、死や絶望みたいなものと隣り合わせな、でもあたたかく未来もある世界。
1時間弱くらいこの場所にいたでしょうか、いろんな想いが溢れて「号泣してた」なんて言う人もいました。
わたしはそんな風な感覚にはならなかったけど、とにかくここではひとりで静かに過ごして、こころの声と対話するのがなによりおすすめなところです。
サウスポイント
※レンタカー通行禁止としている会社もあるので要確認。駐車場は土で結構ガタガタしてます。車高が低い車は注意。
こちらのサイトも参考になります