ヘリタンス・アーユルヴェーダマハゲダラホテルは、スリランカの玄関口、コロンボより南(2時間)の西海岸ベルワラにあります。ここはスリランカの有名建築家ジェフリーバワ氏設計のリゾートホテルとしても知られています。古くはネプチューンホテルと呼ばれており、1970年代に建てられたバワ初期の作品だそう。
スリランカが生んだ名建築家ジェフリー・バワって?
スリランカのホテルを探していると「これはバワ作」「バワ建築」という言葉が頻繁に出てきます。実はスリランカは、ヨーロッパからのゲストが多いせいか古くから高級リゾートホテルが発展していて、その中でもジェフリー・バワは、今は最高級ホテルの代名詞となった「アマンリゾーツ」の創業者ゼッカに大きな影響を与えたと言われています。
参考記事: スリランカの生んだ天才建築家 ジェフリー・バワのホテル
【秘境の旅】スリランカ 熱帯建築の神様「ジェフリー・バワ」のホテルに泊まりたい
バワの功績は素晴らしいものですが、その中でも今やいろんな高級リゾートホテルで採用されている「インフィニティプール」を発明したのは彼なんだそう。バワのホテルはもうひとつ「ヘリタンス・カンダラマ」にも泊まったので、また別途レポートしますね!
ホテル棟以外に個室数20以上のアーユルヴェーダ棟がある
とはいえ、メインのホテル部は2004年のスマトラ島沖地震の津波被害の影響もあり、ほとんどバワの設計は残っておらず、アーユルヴェーダ棟のほうはそのまま残されているようです。確かにアーユルヴェーダセンターのほうが、なんとなくシックというか、落ち着いた雰囲気がすごくあって、古いけれども、それを超える魅力があるなと感じました。
バワの設計は熱帯建築と言われたりするそうです。わたしは建築などの知識は薄いのですが、なるほど〜と思える、水と緑をふんだんに使った自然をリスペクトし、共存しながら構成しているそのやり方は、確かに現代の自然征服!コンクリで固める!みたいなゴージャスさとは一線を画していると思いました。
施術の個室はすべて中庭・バスタブ付き!
アーユルヴェーダ棟には25の個室があって、施術が受けられる個室はすべてに小さな池と庭があって、そこで毎回薬草が入ったハーバルバスに入ることができます。 受付スペースの先にウェイティングスペースがあって、そこで指定された時間に行って待っていると、その日の担当セラピストが”Yuko!”とか言って呼びにきてくれます。
ハーバルバスは毎日その日の施術が終わったら必ず入ることになっていて、バスタブの蛇口が3つあってそこからハーバル液が出る仕組みになっているという凝りよう。 スリランカの海沿いにあるこちらは基本的に年中暑いのでセッションルームも中庭もドアは開けっ放しで開放的。 虫はやっぱり少しはいて、蚊取り線香はつけてくれてるのですが、たまーに蚊やハエがいてリラックス状態から覚醒させられるということもあります。
ただ、来た最初の頃はそういうことも気になっていたのですが、だんだんスリランカスタイルに慣れてくるというか、そういうところも大らかな気持ちでやり過ごせるようになってきたりします。
アーユルヴェーダセンターへはオレンジのガウンを着て通います
アーユルヴェーダセンターとホテル棟は徒歩2分くらいしか離れていないものの、完全に別棟になっていて、アーユルヴェーダプログラムが始まると、みんなそこに歩いて(またはカートで)通うことになります。 センターではすぐに施術を受けられるために、部屋にアーユルヴェーダ施術用のオレンジ色のガウンが用意されているので、それを羽織ってビーサンみたいなカジュアルな履物でペタペタ歩いていきます。
かなりセレブ感漂うヨーロピアンな方たちも初日はいるのですが、基本みんな同じ格好なので、「人間みな平等」みたいに思えるし、日を追うごとにどんどん人の表情が柔らかく温和になっていくのが、見ていてとてもうれしいことでした。
共有スペースがめちゃくちゃ広い!
ドクター5人の専用ルーム、ヨガ&瞑想ルーム、アーユルヴェーダで使う薬草を蒸す専用の部屋、蓮が咲いて鯉が泳ぐ中庭と待合室。とにかく広い!そして品よくゴージャス!だいたい25も専用個室があるっていうその規模感もなかなか日本では考えにくい。しかも、個室そのものもすべて庭付きだしかなりの規模。
カウンセリングと初日の施術(たぶんこれはほぼ全員同じもの)を受けたあと、2日目以降は、それぞれの体調や目的に合ったメニューをドクターが考え、それに則った形で滞在生活を送ることになります。
アーユルヴェーダ棟とホテル棟の間にあるガーデンも素晴らしい!
ホテルのエントランス(外からタクシーなどがやってくるところ)とホテル宿泊棟までは歩くと5分くらいあるほどの距離。そこがすべてバードサンクチュアリと名付けられた蓮の花が咲き乱れる美しいガーデンになっています。
鳥もリスもいたりして、のんびりお散歩するには最高の環境。 メンテナンスするスタッフもものすごくたくさんいて、オフシーズンだという6月は、宿泊者とスタッフの比率が逆転しまくってるんじゃないかと思われるほど、たくさんの人がこのホテルの維持に関わっています。
でも、そのスタッフひとりひとりがすごくこの場所を誇りに思っているんだなあと感じるエピソードはたくさんあって、そういうスタッフの意識と、たぶん毎日アーユルヴェーダ食を食べているっていうのも、この穏やかな雰囲気をつくっているんだろうなあと思いました。