2- Lifestyle ライフスタイル 2.1 body&mind からだとこころ 2.3 Book 読書ログ

#07 『第1感「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』ーワンダラーユウコの読書ログ

脳科学やからだとこころに関する本はよく読みます

ボディセラピストとして仕事をしていて、身体性(からだ)に関する専門書、とくに身体・運動などの動きと精神性(こころ)に関する研究書や考察された書籍はとてもおもしろいので、よく読んでいました。

わたしの本の志向はわりと偏っていて、あまり(ほぼ)小説は読まない、エッセイもそれほど多くを読むほうではなく、どちらかというとノンフィクションというか、実用書や研究書の類をよく読みます。おそらくその理由は、小説を読むと「そのフィクション世界に浸ってしまう率」が高くて、疲れてるときには没頭しすぎて読むとよけい疲れるから読みたくない、しかし本を読もうとわたしが思うときは、だいたい「ちょっと自分が疲れているとき」だったりする(笑)からかもしれません。

そんなわけで、こちら。確か何か別の本を読んだときにこのタイトルを知り、「そのうち読みたい本」リストに入っていたから。

第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい

第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい
第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい

原題は blink -The power of Thinking Without Thinking
マルコム・グラッドウェルという雑誌「ニューヨーカー」のライターさんで、脳科学者などではないですが、最初の予想と違って、かなり論理的にこの「ひらめき」「第1感」についての説明と功罪について語っている本です。

 

直感が持つすごさと危険性、鍛えることができる「ひらめき」力

 

第1章 「輪切り」の力ーちょっとの情報で本質をつかむ

第2章 無意識の扉の奥ー理由はわからない、でも「感じる」

第3章 見た目の罠ー第一印象は経験と環境から生まれる

第4章 瞬時の判断力ー論理的思考が洞察力を損なう

第5章 プロの勘と大衆の反応ー無意識の選択は説明できない

第6章 心を読む力ー無意識を訓練する

 

最初から3章目くらいまでは、直感スゲー!みたいな具体例がいろいろ掲載されていて、「カン」ってすごいという話なのかと思いきや、その直感は経験と環境(つまり今まで生きてきてどれだけちゃんと見てきたか、というところ)に左右されるという話になっていく。プロローグで紹介される「なんかおかしい」と感じた専門家の価値ある絵画(のはずのもの)は、あらゆる経験を経て、その「変」というのを察知する。つまりさまざまな経験と理論を積んだあとで、はじめて「ひらめき力」も培われていくのだ、と書かれています。

 

直感がうまくはたらくときと、まったく機能しないとき

さらに読み進めていくと、直感どころかまったく誤解を生む判断をしてしまう例が紹介されます。人種差別の偏見的な見立てをして、白人の警官が罪のない黒人の男性を射殺してしまった実話。ここには「とっさの判断」が、論理的思考によって洞察力を失ってしまい、まったく逆の想像をしてしまうというような事例が書かれてあります。興奮しているとまずそうした直感は出てこない上に、相手の心も読めなくなる。さらに、目隠しをしてトロンボーン奏者を選んだところ、女性の選ばれる比率が増えたとか、自閉症の特徴として「人の心に入れない」ことがあるけれど、それはそうでない人でも同様の状態に陥るときがある、というような話が展開されていきます。

最初読んだときは、自分の中のスピリチュアルな力を信じる、みたいな本じゃないかと思っていたのですが、全然そうではなく、これはかなり科学的見地に基づく、レポート的な話なのでした。これはこれでかなりおもしろい。第1感、人の心を読むのも訓練のたまもの、ストレス下で冷静な正しい判断をするのも、ある種の訓練だっていうのは、「才能」とか「能力」で片付けられるよりも論理的で開発の余地があるのでいいなあと思いました。

 

 

”感情は顔の表情から始まる”

ボディセラピストとしてはこの話が一番おもしろかった。人の顔は表情筋といってかなり多くの細かい筋肉が動くようにできているのですが、それが動くことで感情が現れるということ。さらに、感情が動くから表情が変わるのではなく、表情のつくりかたひとつで感情もそれにあわせて変わっていくという事実。うつの人はスキップできない。重篤なうつ状態の人でもスキップしている間は、うつの感情を感じない、というのと同じ論理なのかなあと思いました。

 

基本的な感情が湧いてくると、その感情は必ず顔の筋肉によって自動的に表現される。反応が顔に現れるのは一瞬かもしれないし、顔にセンサーを取り付けないと検知できない程度のものかもしれない。だが必ず顔に現れる。(中略)

彼が言おうとしたのは、顔にも心があるということだ。顔の動きは制御できないという意味ではない。自発的な筋肉組織を使って自発的でない反応を抑えようとすることはできる。だがほんのわずかであっても、抑制された感情はしばしば顔に現れるということだ。たとえば、いくら隠そうとしても本当に悲しいとき、それは顔にでる。自発的な表現のシステムは感情を意図的に知らせるための手段だ。だが、自発的でない表現のシステムのほうがいろんな意味でより重要で、本当の気持ちを伝えるために進化の過程で身につけたものだ。

ー第6章 心を読む力より

 

こんな人におすすめ

これはいわゆる自己啓発や自己能力開発の本ではないので、純粋に読み物として楽しんでみたい人におすすめ。わたしは翻訳本が結構好きなんですが、具体例が多く出て理論的に展開していく本なので、こうした本を読み慣れてない女性は少しむずかしいと感じるかも? 人間関係に悩んでる人がすぐ使えるノウハウを知りたいというような用途には向いていないけど、人の心はどうやって動くのか、なんとなくってどこからくるのか?という疑問の解決の一端が見えるので、大きな意味では役立つ本だなと思います。

 

 

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