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#04『場所はいつも旅先だった』ーワンダラーユウコの読書ログ

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松浦弥太郎さんの旅エッセイ

元暮しの手帖編集長で、数年前に編集長をやめてクックパッドに移って驚かせた松浦弥太郎さんの2009年に出版された自伝的エッセイ本です。わたしは暮しの手帖で活躍された頃くらいから、しかも断片的にしか知らなかったけれど、何冊か本を読んだことがありました。そこで初めて「以前は古本屋をやっていてアメリカを行ったり来たり長くされていたかなりすごいヒッピー的な経歴の持ち主」ということを知りました。

カリフォルニア州オーハイにある古本屋

わたしの松浦さんの印象は、「とにかくきっちりしてる人」というイメージ。ものにしても、自分の「ありよう」にしても、これはこう、ってスタイルがきっちり決まっていて、それを守る人っていうイメージがあって、それはどこからくるのかなとも思っていたのでした。 

04『場所はいつも旅先だった』

場所はいつも旅先だった (P‐Vine BOOKs)
場所はいつも旅先だった (P‐Vine BOOKs)  松浦弥太郎

憧れと羨ましさが交差する

雑誌などで連載された短いエッセイが再編集された本で、いくつもの旅先(といっても半分生活みたいな感じだけれど)での話がたくさん出てきます。彼の若い頃の、かなり無茶な生活ぶりや、今のわたしの「きっちりかっちり」イメージからするとありえないくらいの奔放さがそこにはあって、意外だなーとも想いました。

そんな若い時代の話が多いんですが、全編通しての印象は「なにこのカッコいい感じ」というもの(笑)。舞台がサンフランシスコのバークレーだったりニューヨークだったりするだけで、そこはかとなく感じるお洒落感。読み進めるうちにその印象はなくなったけど、ぱっと最初に読んだときは片岡義男を思い出したり。

 

これがタイのカオサン通りだったり、上海のなんとか飯店みたいなところ(過去バックパッカーが長期間滞在=沈没というーした有名なエリア)が舞台だと、同じエピソードでも単語が違うだけでこんなにかっこよくないよな〜・・・とか。

こんなスタイルのエッセイいつか書いてみたい!と思ってるから、こういうふうにかっこよくかける人を無条件に羨ましいな〜なんて思ったりもする。けれど、よく考えたらこうしてブログなどで書くのはタダなんだから、「書きたいなら書けば?」ということなんだろうと自らツッコミを入れてみたり。

結局、どう生きてきたか?が人生の質を変えていく

いくつか特に印象的だったエッセイがありました。これは泣くわ〜という「冬のニューヨークの安ホテルに突然母親がおもちとオーブントースターを持ってやってきてすぐ帰る」話、「当時の恋人とビンテージもののリーバイス501を大量に手に入れて大儲けしたけどオチがやばかった」話、「サンフランシスコの安ホテルの従業員が消された?」話、「伝説的古書店「セレンディピティブックス」との出会い」の話、シェラネバダのJMTという340kmあまりのトレイルを歩いた話など、さらっと書かれてるけど、これかなりすごい経験だよね、という逸話。

アメリカ・ロサンゼルス チャイナタウンを車で通る

こうした経験がたくさんあって、しかも旅先という、ある種自分というものがむき出しになった状態で、こうした究極の経験をしてきたからこそ、自分はこうする、これがいいっていう自分の感受性を高め、信じるスタイルが出来上がってきたのだろうな。

スタイルのある人って、最初からずっとそうだって勝手に思いがちだけど、きっとみんなそんなことなくて、ふつうの人よりもたくさん悩んで迷って、真剣に「自分のありよう」を考えて試行錯誤してきたからこそ、本当に自分にフィットするスタイルというのが、だんだんと確立するようになるのかもしれない。

アメリカ・アリゾナ州ツーソンのサボテン山

旅に関するこんな一説がありました

旅に必要なのは、健康なからだと時間と金と、飽くなき好奇心である。この4つが揃えば、旅は旅らしくなる。しかしそれは、あくまでも、旅らしくであり、旅とはいえない。

旅を旅とするには、なにが必要なのか。そんなことを真剣に考えるか否かで、その人の人生は大きく変わるような気がする。旅とはなにか。それは自分の人生そのものがひとつの長い旅であるということを知ることからはじまる。今もしあなたに少しの時間があったら、そのことについて考えてみていただきたい。

人生がひとつの旅であれば、その旅をどうやって歩んでいくのか。のらりくらりと人や社会の流れに身を任せてゆくのも楽で良いが、そこには自分の意志や工夫、発明、時には流れに逆らおうとする勇気はない。苦労の末の喜びもない。あるのは大勢のなかにいる、一種おかしな安堵のみ。まあ、それでも生きていけるが、ここはひとつ、そんな船から広く大きな海原へエイッと飛び込み、自分の力で泳ぎ、自分だけの船と地図を作り、いつまでも続くであろう旅を存分に楽しみたい。旅らしさを旅にするヒントはそこにある。

遠い国へ行くことだけが旅ではない。旅とは物理的なものではなく、あくまでも精神的なものである。家にいようと、近所にいようと、ちょっとした工夫で心の持ちようで、自分だけの有意義な旅は作ることができる。ーホテルという旅先 より

 

ほんとうにそうだよな〜と思います。けれど、この言葉が実感を伴って感じられるためには、一度ほんとうにまっさらな自分をさらけ出すような、ひとりで旅に出てみることが一番カンタンなような気がわたしはしています。自分にとっての小さな冒険、といってもいいかもしれない。その人によって冒険の中身は違うけれど、「いつもはしない選択をする」という冒険から、「旅」はスタートしていくのでしょう。

こんな人におすすめ

集英社文庫から文庫版も出ているので、通勤時などの電車の中とか、ひとりでふらりと立ち寄ったカフェなどで読むのがよさそう。上の引用文にぐっとくる人、アメリカやイギリスなどの都会的な雰囲気を感じてみたい人はとくにおすすめです。

Let’s go traveling! (しかしこの本屋さんは衝撃だったな・・・そのうち書いてみたいオーハイの野外古本屋)

 

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