2.1 body&mind からだとこころ 2.2 Diary 日々のつれづれ 2.3 Book 読書ログ

#01『五つの傷』ーワンダラーユウコの読書ログ

こんにちは。旅人ワンダラーユウコです。わたしは旅人で、今、旅に関するお仕事をどんどん増やしていますが、もともとはボディセラピストでもあります。読書ログ日記はじめますーの記事でも紹介したのですが、わたしはもうこの15年以上こころとからだの関係性について追求し続けているので、定期的に「こころ」と「からだ」の関係性について研究された本を読んでいます。

読んでていつも腹立たしくなるこの著者の本たち

その中でも、毎回読んでてどうにも不愉快になってくるような感覚があるのが、リズ・ブルボーさんというカナダのセラピストさんの著作たち。『からだの声を聞きなさい』シリーズをはじめ、自分の心というものを心理学的な側面だけでなく、スピリチュアルな側面、身体学的な側面から研究し、(科学的な論拠はないけれど)毎回断定的に「この症状は、こうである」と書いてくる。

それがなんというか、妙に腹立たしいのですよ。

その理由は、認めたくなくても「図星」だから。

でも、その理由はおそらく・・・いや、間違いなく「当たってるから」。人は図星なことを言われると当惑して、そして怒り出すものなのです。

それをリズ・ブルボーさんは「反応」と呼んでいます。

すべての傷には、それにふさわしい心の態度とふるまいが存在します。それぞれの傷に対応した感じ方、考え方、話し方、行動の仕方は、自分が経験したことへの反応として形作られたのです。「反応」する人は、自分の中心から逸れてしまい、ハートで感じられることができなくなっているために、居心地が悪く、幸福に生きることができません。だからこそ、あなたは、自分が「反応」しているときは、そのことに気づかなくてはならないのです。そうすることによって、はじめて、あなたは恐れに支配されることをやめ、自分の人生の主人公となれるからです。

 

五つの傷ー心の痛みをとりのぞき本当の自分になるために

五つの傷―心の痛みをとりのぞき本当の自分になるために

人は誰でも傷つくことを恐れ、自分を守るために仮面をつける。

心が「傷ついた」「傷つけられる」と思う理由は、すべて幼少期の主に親子関係と関連していて、その傷の種類を5つに分類し、その傷を隠すために大人になった今どんな「仮面」でそれをなかったことにしたり、回避しようとしているかを解説している本です。

はじめてリズ・ブルボーさんの本に触れる方はちょっと難解かもしれないです。言葉の使い方が翻訳ということもあるかもしれないけど、すこしややこしい。

この本では、

1 拒絶による傷・・・逃避する人という仮面をつける

2 見捨てによる傷・・・依存する人の仮面

3 侮辱による傷・・・マゾヒストの仮面

4 裏切りによる傷・・・操作する人の仮面

5 不正による傷・・・頑固な人の仮面

をつけると分類しています。はて、見捨て?不正?なんのこと?とこれだけ読むとわかりづらいんだけれども、読み進めるうちに、なんだか「もしかしてこれって私・・・あるかも」っていうのが出てくる。

人はいろんな傷を持っていて、傷が深ければ深いほど、仮面は厚くなる。仮面ということは、つまりそれは「本来持っている自分自身」ではない人になっている、ということ。

 

文中には、傷と仮面の関係性を比喩で表しているところがあって、それがまた言い得て妙というか、なるほどな〜と感心する。こうした考え方は、私自身はもうだいぶ前から採用しているし新しい発見でもないのだけれど、でも何度もやっぱり「うーん確かに」と思ってしまう。

傷と仮面の関係をよりよく理解するために、ここで例えをあげてみましょう。心の傷というのは、たとえばあなたが指に受けた傷とまったく同じなのです。あなたはその傷をしっかりと手当てせず、ただ単に絆創膏を巻いただけです。そして、まるでその傷がないかのように振る舞っています。その傷を見たくないのです。

仮面というのは、ちょうどこの絆創膏のようなものだと考えればいいでしょう。あなたは、絆創膏を巻くことによって、傷などないと思いこんでいます。でも、はたしてそんなことで解決するでしょうか?もちろんそんなことはありませんね。わたしたちはそのことがわかりますが、でも、エゴにはそのことが全くわかりません。エゴはそんなふうにして私たちを欺こうとするのです。

傷を受けた指には絆創膏をまいてありますが、それでも誰かがそこに触れるたびに、その傷は痛みます。誰かが愛の思いからあなたの手を取ったとしても、あなたは「痛い!」と叫ぶことになります。その時の相手の驚きたるや、いかばかりでしょうか?その人は、あなたに痛みを与えようなどとは夢にも思っていないからです。あなたが傷を治そうとしなかったがゆえに、誰かがあなたの指に触れるたびに、あなたは苦しむのです。ー第1章 心の傷と仮面はこうして作られる より

 

5つの傷と仮面分類から、その人が取りやすい言動やからだつきの特徴までわかる

よく言う「口癖」や「体型」まで。その人が受けてきた傷(主に幼少期で基本本人の記憶には残っていない)によって、性格が決まり、そこから体型も決まっていく。これは実際わたしもボディセラピーの仕事をしていて感じることです。

痩せてる太っているというだけでなく、からだのどのパーツにどんな思いが詰まっているか?というようなことも、結構個人差よりも類型化できそうだなというくらい共通点がありました。そもそも、(脳内ではなく)からだの中に、筋肉や筋膜、細胞の中に感情が溜まっているなんてことは、現代の生物学・解剖学的には証明されていませんし、実際見えもしないわけです。だからただ言えることは、個人的に触れて感じたことの統計でしかないのですが、15年続けて思うのは、「間違いなくからだつきと感情・性格・傷」には関係があるということ。

自分自身のからだを見ても、「ああ、ここが課題だな」って思うところはたくさんあって、でも自分自身を冷静に見つめるのはやっぱり難しくもあり。そうやってこの15年くらいは少しずつ自分を見つめるという作業をし続けてきたのです。

本ではひとつずつ傷の種類によって、その特徴と原因が描かれているのですが、わりと冷静に「へーそうなんだ」とか「これはあの人が持ってそう」とか思って読み進められるところと、急に「いや、それはない」とか反論したくなったり、「こうだからってそれが原因とは限らないでしょ」みたいに怒りが出てきたりするところがあります。

例えばわたしは、<操作する人>というところで最も特徴が強く出てるなあと思ったのですが、ここに抜き出して書くのがツライと思うくらい辛辣で書けない(笑)ので、違う例を出してみようと思います。

<依存する人>は、他の人たちがそばにいてくれること、自分に関心を向けてくれることを望みますが、自分がしたいと思っていることを他人がするのをいやがります。たとえば、自分は一人きりで読書をするのが好きなのに、配偶者がそうするのはいやがります。自分が行きたいと思う場所には一人きりで行くことがあるのに、配偶者がそうすると、放っておかれた、あるいは見捨てられたと感じるのです。また、ある会合に招待されなかったりすると、仲間はずれにされたような気分にあり、ものすごく落ち込みます。ー第3章 <見捨て>による傷・<依存する人>の仮面

 

読み進めるうちに全部当てはまるんじゃないか、と思ってきたりしますが、著者によると、全部が全部当てはまる人はいない、とのこと。ただ複数の傷が重なっていることはよくあるようで、それぞれどの割合でどこが多いか、というようなもので個人差があるのだと思います。

<心の傷>が治らない原因は自分が自分自身を許さなかったから

上記の5つの傷の分類を詳しく書いた章が続いて、最後にそれをどうしたら「癒やす」ことができるか?について述べられています。

この絆創膏を貼ったまま見ないふりをしていると、人生においていろいろと不都合が出てくる。「わたしが悪いんだ」と思って、自分が自分を責めていると、傷はますます広がるばかり。

まずは、そこにその傷がある、自分の仮面がこれだとわかったら、その奥にこの傷がある、と自分自身で否定せずに認める。責めるのではなく「そうだったのか」と認め、そして自分自身を全力でいたわること。

書くのはかんたんだけど、この「認める」が仮面のせいでまず難しいんですよねー。「わたしはそうじゃない」「これはあの人が悪いから」とかいろいろエゴがうるさい。でもそれを徹底的にあらゆる手法でみつめ、認め、許していくと、周りも自分も劇的に変わっていく。

ただ、癒やし方の部分については、5つの特徴の部分よりも少なくて、ちょっと物足りないかしら。と思っていたら、その部分の続編が数年前に出ていたのでした。


五つの傷 癒しのメッセージ―魂がもっと幸せになる 心の痛みの治し方 

こちらはまだ図書館で予約中なので、読み終わったらまた感想というか雑感と紹介ログを書く予定。

こんな人におすすめ

そうですねー。名著だと思いますが、こういう類の本を読んだことがない人には覚悟がいるかも。人生でどうにもならないことが続けざまに起こった、とか、もう今度こそ自分を変えたい!と思っている人には、よき刺激剤になると思います。わたしもそういう刺激が欲しくて読んで、若干凹み気味です(笑)でもそれは「認める」「癒やし」の第一歩なので、必要なことなのです。

エジプトでパスポート失くして再発行してもらったときの話。
#02『芸術がわからなくても美術館がすごく楽しくなる本』ーワンダラーユウコの読書ログ

You Might Also Like