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ホトリニテは日本の宿のよさをバージョンアップさせた新時代の宿泊施設

ホトリニテって?

ホトリニテは、富士五湖のひとつ、山中湖畔にある元保養所を改装してできた宿。和室中心の素泊まりで、1階には広いライブラリーのようなスペースがある、オーナーのこだわりと美学が詰まった宿です。まわりは近代的なビル形式のホテルや、潰れたり潰れかけたりしているお土産屋さんが並んでいるなか、木造建築のまま前庭の植栽も残されたこの空間だけが、別世界のように感じられます。

ホトリニテ玄関を道路から眺める

オーナーの高村直喜さんが宿の運営・清掃その他諸々ほぼすべておひとりで担っておられます。
一見フツーの宿。設備もそんなに豪華なものはありません。けれど、全館どこを見ても、もともとミュージシャンでアート方面にも長けている彼のセンスがいたるところに感じられる空間になっています。

のれんも数種類あり、全てアーティストによるオリジナルもの。

2年半ぶりの訪問でした

最初にこの宿のことを知ったのはかなり偶然、確か2013年頃。当時はWebサイトもなくて、ブログをサイト代わりにしておられました。ブログのデザインは普通にテンプレそのままで、オシャレとかそういう感じじゃなかったけれど、内容を読むと、「ん、これはすごいところかもしれない。行ってみなくては!」と思い、足を運んだのでした。

その頃ちょうど「ゲストハウスプレス」を立ち上げようとしていて、おもしろいことをやっている宿やゲストハウスの情報を探っていて、「ここはゲストハウスとはいえないかもしれないけど、安いしキレイだし、ブックライブラリーとかあるし、すごくよさそう!」と直感しました。

宿の窓からは方角的に見えないけれど、目の前の山中湖からは富士山が見える

初めて訪問して泊まって。めちゃめちゃ感動して、チェックアウトのときにご挨拶したオーナーの高村さんに「実はゲストハウスのようなあたらしい形式の日本の宿をまとめたWebやフリーペーパーをつくりたくて」思わず話してしまったら、そこから確か2時間くらいお互い立ち話のまま、意気投合。「そんな人が現れるのを待ってました!」みたいなことを言われ、勇気百万倍になったことを覚えています。

それから数ヶ月して、ゲストハウスプレスのフリーペーパーVol.4に登場いただくこととなり、その後もちょくちょく訪れるようになりました。それが2014年頃のこと。 

ゲストハウスプレスVol.4で特集しました

 

フリーペーパー制作の際にもいろいろとアドバイスやアイデアを出してくださった高村さん。
Webでのインタビュー特集では、彼の生まれから宿設立に至るまでのことや、宿に対する意気込みなどをお聞きしています。

ゲストハウスプレス THE OWNER INTERVIEW #04  
宿ホトリニテ(山梨)/ 高村直喜さん

>> 前編 実家の宿を継ぐまでのおはなし
>> 後編 ホトリニテの意味と宿への想い 

 

 

世界的宿泊予約サイトで最高評価アジア1位を獲得。

なにがそんなに感動したのか?というと、一言で言うのは難しい。

以前インタビューさせていただいたときに、宿の運営を「道」みたいに思っていると話しておられたのがひとつの答えなのかもしれないと思います。宿の業務を仕事(=業)ではなくて、美しい茶道や武道のような「道」にまで極めているような、美学とこだわりをそこここに感じるのです。

例えばそれは「トイレで寝れる」というレベルまで掃除や気遣いのレベルを上げていること。「そういえば、こういうのあると便利!」と思わせる、宿に置かれている備品の数々。各部屋に冷蔵庫がなくてもこういうことならいいよね、とか、選ぶ楽しみ、あらゆるところにユーモアを感じるセンスのよいインテリア。さらにそれをほぼ一人(今は家族と)でやり抜く意志。

ピカピカでかゆいところに手が届く〜な洗面スペース

さらにコストパフォーマンスがよすぎること(当初はひとり3,000円。現在もひとり4,000円程度)もあり、どんどん口コミの評価も上がり、外国人も増えてきて、気がつけばなかなか約の取れない宿になってしまいました・・・。更に拍車をかけたのが、2015年大手旅行予約サイトBooking.comでアジア1位(!)の評価。それからというもの「明日泊まりに行こうかな」みたいな予約の仕方は難しくなりました。

そんなわけで「そのうちそのうち」って思いながらずっと行けなかったホトリニテ。今回1ヶ月以上前に予約してようやく!久々の訪問となったのでした。

夜のライブラリースペース。ここでくつろぐのは宿泊者のみの特権です

 

ドミトリーはなくなって、個室のみになりました

そんな絶賛される宿っていったいどんなすごいの?って思うかもしれませんが、設備はほんとうに至って普通の和室です。こんな感じ↓ 一定世代から上は懐かしいというか、ホントにフツーでしょう??

木造建築だから隣の部屋の物音とかも結構聞こえてきたりするし、備品なども昔の保養所時代のものを大事につかっている。ふとんも昔の(今も実家にあるような)大柄な花柄みたいなレトロ柄。

仲居さんがいて、お茶を出してくれたりもしないし、コーヒー紅茶はセルフサービス。朝食も(もちろん夜も)出ない。だけどすごい!と思えるのがここのすごさなのだと思います。
でもこんなのさり気なさ過ぎて伝わらないのでは?と思ったりもしたけど、結果はアジアナンバーワン宿。日本人でも外国人でも、そんなの全然関係なく、ちゃんと思いやよさって伝わるんだな〜。

以前はあったドミトリー室は、3人が泊まれるベッドの個室になってました。ちょっと離れっぽいからグループ客の方に人気だそう。

更に磨きがかかった宿内部の美しさと心配り。

1階のライブラリースペースにある雑誌や本のラインナップを見ていると、全部読みたくなる!

とはいえ、写真やアート系の本や旅本・雑誌だけではなく、山梨の他のショップなどの人が選書した特集コーナーがあったり、子供向けのコーナーがあったりと、間口は広く、工夫されています。1泊だとなかなかこの雑誌を読み漁るとかできないのが悲しい。

テーブル右端にある神棚?風置物のなかにあるホトリちゃん(ホトリニテのマスコットキャラ)がかわいい

客室前の廊下には、共同の冷蔵庫や電子レンジ、クーラーボックス、美味しいコーヒーを飲みたい人のポッド式の機械、セルフで選べるお茶やコーヒーコーナーなどが設置されています。 

盆栽の間は休憩室というよりアート鑑賞

前に来た時はなかった「盆栽の間」というのができていました!これがまた凄かった。もともと宴会場だった大広間で、今は休憩室的な役割なのですが。

 

なんという見事な日本家屋の使い方!
盆栽!書!畳!陰翳礼讃!

そりゃあ外国から来た人喜ぶわ。(日本人だって感動するこの空間美ですが)

 

 

この場に来て、ワイワイ騒ごうとは思わない。静かにソファでくつろいで場の空気を楽しんだらお部屋に戻ってお風呂に入って寝る!ってなる。

 

1階のライブラリーにはゲストハウスプレスのバックナンバーも!

ありがたいことに、1階のライブラリースペースには歴代のゲストハウスプレスのバックナンバーも(しかもパウチして)置かれています。
創刊号から15号、こうやって置いてくださるのは本当にありがたく。最近知り合った人も、ゲストハウスプレスのことを、ホトリニテで見たって言ってくださる方もたまにいらして泣ける。。

 

無料のレンタサイクルで山中湖畔をのんびり

宿では無料のレンタサイクルもあって(先着順ですが結構台数もありました)山中湖畔をのんびりぐるりと周ったり、ランチや夕食を食べにいくときに使ったりできます。

スワンボートもあるけど、こちらは本物のスワン

 

白鳥さんかわゆい。

夜は「大豊」の名物、塩ほうとう!

毎回いつもこちらにお邪魔するときに行くのが、花の都公園の近くにある「大豊」さん。
ホトリニテではオリジナルのMAPもつくっていて、そこにも載っています。ここでここでしか食べられない塩味のほうとうを食べるのが好きで、毎回ウマウマうなりながら食べてます。他にも郷土料理的なものや居酒屋メニューもあってGOOD。車がなくても自転車なら数分、夜道は暗いので要注意だけど道は一本なのでわかりやすいです。

 

 

進化し続ける宿、これからも。応援しています!

人気が出過ぎて、一人でやっておられるし、もしかしたら大変過ぎて宿のお掃除とか前みたいにピカピカじゃないんでは?とか一瞬でも思ったわたしが浅はかでした。
今のホトリニテは、以前よりももっと美しく、素晴らしい宿に進化している。その高いレベルで、より高みを目指す高村さんのモチベーションが素晴らしく、ああ、今彼に会って話せてよかったなあと思いました。

なんとなく自分の中でも、高村さんとお話するタイミングは、自分の転機だったりステップアップに繋がるときだという感覚もあるので、これから先、自分の活動もどんどん高みを目指していこうと勇気が湧いた上に、この後お会いしてみたいなと思っていた人にご縁を繋いでもらったりもして、本当に感謝。高村さん今回もありがとうございました!

「立ち入り禁止」って書かずにこれ。粋!

 

ホトリニテ

 

ホトリニテ
〒401-0501  山梨県南都留郡山中湖村山中1464
 http://hotorinite.com/

 

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スリランカ・アーユルヴェーダホテル滞在旅から帰ってきました!
八ヶ岳・清里付近に吹く清々しい風と夜の闇。

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